三桃シ倒語の日記

お前の枠にはまってたまるか

鉄パンの親になった話

鉄のフライパンを買った。

10年使ってきたフライパンのテフロン加工が剥げてきたので、めちゃくちゃ迷った末に鉄のフライパン(長いから鉄パンと呼ぶことにする)を買った。迷った理由としては、テフロン加工のように経年劣化による買い替えは必要ないものの「手入れが面倒」という噂をよく聞いたからだ。だが、おしゃれな鉄パンに一目ぼれし、意を決して鉄パンを迎えることにした。

 

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よかったことと

精神的に満ち足りる

料理の腕が上がった……とか買っただけでミラクルは起こらないが、後述の「気をつけること」すら愛おしく、精神的な充足感がすごい。丹念な手入れにより鉄パンを我が子のように育てており、今日できなかったことが明日できるようになるのでは、そんな期待を抱きながら料理に励んでいる。

 

即片づける習慣が身につく

よかったことは自分が作る料理に関係ないことばかりだ。鉄、その特性により長期間の放置は許されない。気が付けば鉄パンが温かいうちにスクレーパーを手に握る習慣が身についた。子の変化を楽しみながら、親としての使命が親自身を変えたのだ。

 

気をつけること

手入れが面倒

噂に違わず、手入れは面倒である。

使った後は水を入れて温め、鉄パンの汚れをスクレーパーでそぎ落とす。それでも落ちないなら乾いた布や洗剤で落とし、残った水分を温めて飛ばし、仕上げとして油を塗る。これを毎回やるのだ。

ただ、スクレーパーでそぎ落とす過程はテフロン加工ではNGなので、徹底的に手入れができるという点はある意味良いことである。

 

育てる覚悟が必要

鉄パンは適度な油がのっていない状態だと卵焼きのようなものは作れない。当初は焦げるわ上手くめくれないわで思い通りにいかないことも多い。

テフロン加工のフライパンが捕獲当初から第一線で動ける伝説のポケモンなら、鉄パンは当初タイプ一致技ももたないが、長く旅を続けると頼もしくなる御三家。トレーナーがしっかり育てるしかないのだ。

 

鉄パン。甘美な響き。今この手の中にある鉄パンは私が育てているのだ。料理は奥深く、10年続けても新たな発見がある。私が密かな経験を積みながら鉄パンも日々鍛錬を積んでいる。まさに二人三脚だが、よく考えれば鉄パンに脚は二つもないので、二人二脚が正しい。