「盗む」為なら手段は選ばず、時に人を殺し、時に女を姦す。
メディアミックスにより47年に亘り活躍する『ルパン三世』の過去の作品には、時事問題や技術の進歩を感じさせる描写がある一方で、現代にはふさわしくないとされる表現が含まれていることが 多い。
差別語。
倫理問題。
性的描写。
その為に、原作漫画のサブタイトルが変更されたり、キャラクターの台詞が変更・加工修正されたり、エピソード内でシーンが省かれたりする。
今月28日には劇場版アニメ第1作、所謂『ルパンVS複製人間』が金曜ロードSHOW枠で放送されるが、この作品がノーカットで地上波放送されることはおそらくないだろう。同じく何度も放送されている『カリオストロの城』は近年ではノーカットであるのに対し、こちらは「ふさわしくないとされる表現」のオンパレードなのでカットは免れられないのである。
では、肝心のカットされる部分はどこなのか。隠されると余計に知りたくなるのが人間の性だ。女性用下着が包み込む「もの」を観たくなるのと同じだ。「ふさわしくないとされる表現」なので明言は避けるが、カットされる主な表現は以下の通りである。
・崩壊したアジトに立ち寄ったシーンで、五ェ門と口論になった時の次元の台詞(あるいはこのシーン全体)
・ルパン、次元、五ェ門が砂漠をさまようシーン(尺の関係か?)
・ルパンがアドルフ・ヒトラーのクローンと鉢合わせするシーン
・ルパンが試験管ベビーを目撃するシーン
・ルパンがマモーと初めて会ったシーンの、マモーの台詞
・ルパンの夢
上記のシーンはVHS、DVD、BDといった映像ソフトにおいて視聴可能である。ソフトによってはカットされるシーンもあるが、「オリジナルを尊重して……」との但し書きも添えてほぼノーカットで収録されているソフトもある。
残念ながらこの映画が公開された年には私はまだ存在しておらず、「劇場版公開時」の『ルパン三世』は観たことがない。もしかしたら、ソフトにも収録できない「劇場限定」シーンがあったかもしれない……。いや、既にオリジナル全てをソフトに収録しているのかもしれない……。
探究心は止まらない。